この講座のゴール
まずは「質問できる相棒」を1人、自分のPCに呼ぶところから始める チャットAIとは何かを理解し、ChatGPT / Claude / Gemini の3つから1つを選んで、今日すぐ使える状態にするのがこの講座のゴールです。最初の質問まで体験します。
検索エンジンとの決定的な違いを理解します。「探す道具」ではなく「答えてくれる相手」です。 ChatGPT / Claude / Gemini。特徴の違いを知り、迷わず1つに決めて登録まで済ませます。 走る例の「DXって何から始める?」を実際に投げて、最初の対話を体験します。
🎯 この講座の「走る例」 — 初めてのDX担当者
あなたは経理・営業事務などの非IT部門の所属ですが、先週から「社内DX推進」の担当を任じられました。上司からは「まずはAIを使えるようになって」と言われたものの、何から始めていいか分からない — この状況を、本講座を通して解き始めます。あなたの実際の立場に読み替えながら読み進めてください。
この講座の流れ
P テーマ 身につけること P3〜4 チャットAIの正体と3つの選択肢 検索との違い、ChatGPT / Claude / Gemini の特徴と選び方 P5〜6 登録して最初の質問まで アカウント作成の共通フロー、走る例で最初の対話を体験 P7〜9 対話の基本ルールとまとめ AIの2つの癖(忘れる・間違える)、NG→OK書き換え、チェックリスト
チャットAIとは何か
まず言葉の整理から。「チャットAI」「生成AI」「LLM」という3つの言葉は、ほぼ同じものを指しています。
🤖 チャットAI
ChatGPT / Claude / Gemini など、チャット画面で対話するAI の名称。本講座で主に扱うもの。
✨ 生成AI
文章・画像・コードなどを生成するAI の総称。チャットAIも画像生成AIもこれに含まれる。
🧠 LLM
Large Language Model。チャットAIの中身の仕組み の名前。詳細は使う上で必須ではない。
検索エンジンとの決定的な違い
すでに使っている検索(Google検索など)との違いを1つの表にまとめました。
比較軸 🔍 検索エンジン 💬 チャットAI やってくれること Webページの一覧を表示する 質問に対する答えそのものを書く 出てくるもの リンク集(自分で読んで組み立てる) 読みやすく整形された文章 聞き方 キーワードで検索(例:DX 手順) 普通の日本語で質問(例:DXって何から始めればいい?) やり取り 1回きり(検索を打ち直す) 連続した対話(続けて質問できる) 答えの確実性 出典が明確(表示されたページ) 間違えることがある(出典は聞ける)
検索は「探す道具」、チャットAIは「答えてくれる相手」。分からないことを、人に聞くように日本語で聞ける のが最大の違いです。そのぶん間違えることもあるので、使い分けと確認クセが重要になります(P7)。
3つのチャットAIから1つ選ぶ
代表的な3つを比較します。結論から言うと、どれを選んでも本講座はすべて進められます。違いを知った上で、直感で1つ決めてください。
比較軸 ChatGPT Claude Gemini 提供元 OpenAI(米国) Anthropic(米国) Google 一言でいうと 世界で最も利用者が多い定番 文章が丁寧で長文読解に強い Googleワークスペースとの連携が強い 無料で始められるか ○ 無料プランあり ○ 無料プランあり ○ 無料プランあり 日本語 ○ 自然に対応 ○ 自然に対応 ○ 自然に対応 初学者の第一歩として 情報量が多く困りにくい 説明が粘り強く親切 Gmailやスプレッドシートを使っているなら相性◎
決め方 ① — 迷ったらChatGPT
利用者が最も多く、困ったときの調べ物も多い のが利点。日本語の解説記事も一番見つかりやすい初学者向けの定番です。
決め方 ② — 社内の指定に従う
会社が「業務で使ってよいAI」を指定している場合はそれに従う のが大前提。情報セキュリティ部門の案内をまず確認してください。
3つとも基本的な使い方は同じ(日本語で質問して答えが返る)なので、あとで乗り換えることも簡単です。「完璧な1つを選ぶ」より「まず1つ使ってみる」が大切です。
アカウントを作成する(共通フロー)
3つのAIとも、登録の流れはほぼ同じです。必要なものは メールアドレス1つ だけ。所要時間は10分ほどです。
検索で「ChatGPT」「Claude」「Gemini」と検索し、提供元の公式サイト を開きます。広告や偽サイトに注意(URLの表記を確認)。
画面右上や中央の登録ボタンから新規登録へ。無料プラン で始めます(カード情報は不要)。
会社の規定で個人アドレスしか使えない場合はそちらに。届いた確認メールのリンクを開いて本登録します。
名前と利用目的(個人利用)を入力すれば登録完了。チャット画面が表示されたら準備OK です。
#(( "メールアドレスを用意", "無料プランを選ぶ", "確認メールのリンクを開く", "チャット画面が出ればOK", ).at(i))
登録時に 個人情報や社内の機密情報を入力する画面はありません。もし求められたら、それは偽サイトの可能性が高いのですぐ閉じてください。公式サイトのURLは提供元(OpenAI / Anthropic / Google)の名前が入っているかで判別できます。
会社のPCで使う場合、まず社内のAI利用規定 を確認しましょう。「どのAIを使ってよいか」「入力してよい情報の範囲」が定められていることがあります(講座03で詳しく扱います)。
最初の質問をしてみる
準備ができたら、走る例の最初の質問を投げてみましょう。入力欄に以下をそのまま入力します。
📋 最初の質問(そのまま入力してみる)
私は経理部門の社員で、先週から社内DX推進の担当になりました。ITの専門知識はほとんどありません。まず何から始めればいいですか? 初心者向けに、具体的な手順で教えてください。
✍️ この質問に含めた3つの要素
- 自分の立場(経理部門・DX担当・初心者)— 相手が答えのレベルを決める材料
- 聞きたいこと(何から始めるか)— 1つに絞る
- 答え方の指定(具体的な手順で)— 聞き方ひとつで答えが変わる
👀 返ってきた答えの読み方
- まず読み通す(理解しようとしなくてよい)
- 「これなら自分にもできそう」と思う項目を1つ探す
- 気になる言葉があれば、そのまま続けて聞く(講座02で練習)
💡 入力に使う日本語について
チャットAIは話し言葉でも敬語でも構いません。「ですます」である必要もなく、メモ書きのような日本語でも通じます。ただし曖昧な指示より具体的な依頼 の方が確実な答えが返る、という原則は日本語でも同じです。
最初の一問は「完璧な質問」でなくて構いません。質問 → 答えを読む → さらに聞く の往復ができた時点で、この講座の半分は達成です。
AIの2つの癖を知っておく
便利な相棒ですが、最初に知っておくべき癖が2つあります。どちらも対処法はシンプルです。
癖① — 会話が終わると忘れる
新しい会話(チャット)を始めると、それまでのやり取りはすべてリセット されます。昨日相談した内容は、新しい会話では覚えていません。
対処法
関連する話は同じ会話の中で続ける。翌日に持ち越すときは、前提をもう一度書いて伝える。重要な結果は自分のメモに残す。
癖② — 自信満々に間違える
もっともらしく、きっぱりと、間違ったことを言うことがあります(ハルシネーション と呼ばれます)。特に、細かい数字・日付・社内の事情で起きやすい。
対処法
業務で使う数字や事実は出典を確認する。「それは一般的な情報? 想像?」と聞くのも有効。重要判断はAIの答えだけで決めない。
初心者が特に引っかかりやすい3場面
場面 何が起きるか こうする 存在しない機能やサービスを紹介された それらしい名前のツールが登場する(実在しない) 「公式サイトのURLを出して」と聞き、実際に開けるか確認 社内の規定を「あるように」答えた 一般論をうちの会社のことのように話す 社内のことは社内の資料で確認(講座03で解決) 答えが毎回違う 同じ質問でも生成のたびに変わる 業務に使うなら要点をメモに固定し、AI任せにしない
AIの答えは「よく調べた同僚の意見」として扱うのがちょうどよい距離感です。信頼しすぎず、疑いすぎず — 最後に判断するのは自分です。
NG → OK 書き換え表(初学者あるある)
最初のうちは誰もが通る「もったいない聞き方」4選です。直すのに特別な知識は不要、一言足すだけのものばかりです。
DXについて教えて 経理部門の社員です。DX推進担当になったので、まず何を知るべきか、初心者向けに3つ挙げてください 立場と「3つ」という絞り込みを足すだけで、答えが具体化する
もっと詳しく 1つ目の「業務の可視化」について、具体例を交えてもう少し詳しく説明してください 「何について・どの深さで」を指定すると、曖昧な掘り下げがなくなる
それって本当? その情報は一般的な内容ですか? それとも推測ですか? 出典や根拠があれば教えてください 自信のある間違いを見抜く「確認の一言」を習慣にする
昨日の続きなんだけど…(新しい会話で) 昨日、業務の可視化について相談しました。要点は「まず各業務の所要時間を記録すること」でした。この続きで… 新しい会話では忘れるので、前提を自分で書き直して伝える
💡 共通する直し方
NG列はどれも*「相手が自分の状況を知っている前提*」になっています。AIは何も知らない相手。立場・目的・絞り込み を一言足すだけで、答えの質は劇的に変わります。
📖 覚え方
「初対面の同僚に話すつもりで書く」。初対面の相手には自分の立場を説明しますよね。その感覚がそのまま使えます。
まとめ — 今日できたこと、次にやること
チャットAIは「答えてくれる相手」。検索とは違い、日本語で聞いて、続けて質問できる。 3つのAIの違いを知り、1つ登録した。無料プランで今日から使える。 会話が終わると忘れる。自信満々に間違える。対処法は「続ける・確認する」。
講座01を終えたら、以下をチェック
Check できるようになったこと 確かめ方 ☐ チャットAIと検索の違いを説明できる 家族や同僚に「何が違うの?」と聞かれて1分で説明してみる ☐ 3つのAIの特徴を1つずつ言える 自分が選んだAIの理由を1文で書いてみる ☐ アカウントを作成し、チャット画面を開ける ログインして、入力欄が表示されることを確認 ☐ 最初の質問をして答えを読んだ 走る例の質問(P6)を投げて、1つ「できそう」を見つける ☐ 確認の一言を使える 「それは一般的な情報?」を1回実際に聞いてみる
次の講座では、この1往復を「対話」にレベルアップさせます 今日できた「質問 → 答え」は、まだ一問一答です。講座02では、続けて質問して深めたり、説明のレベルを指定したり、いわば「上手に聞く技術」を練習します。今日の会話はそのまま残しておいてください。